失策

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「綺麗・・・」 ミディアが呟く。惑星リンゲル方面へ避難中のモーニングスター号の客室では出港時の騒ぎや興奮もすっかり落ち着いていた。 「そうね。これで周りを軍艦が取り囲んでいなかったら、もっと綺麗なんでしょうけど」 「エミリー・・・うん、そうだよね」 窓の外を眺めていたミディアの脇から覗き込むようにエミリーが言うと、ミディアも同意とばかりに頷く。モーニングスター号の周囲は依然として軍の護衛艦隊が取り囲んでいた。 「そうかな?あたしなんかは軍艦もキラキラ光って綺麗だと思うけどね」 後ろの席からクラスメートが身を乗り出して話しかける。 「ところでミディアはこれからどうするの?帰っちゃうのかなぁ?」 「あたし?う~ん・・・正直言ってどうすれば良いのかわからないんだよねぇ。この様子だと、そのまま修学旅行って訳にもいかないだろうし、帰る事になるんじゃないかなぁ?」 「え~っ!?せっかく宇宙にみんなで出れたのにぃ!?」
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