失策

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「「撃てぇい!!」」 レオン率いる帝国軍艦隊とエドワードの連邦軍前衛艦隊は再び小競り合いを開始していた。 「今度は後背にマイセンが控えている。遠慮はいらん!一気に押し出せ!!」 戦艦アビゲイルのブリッジでエドワードが仁王立ちのまま吠える。一方、レオンは自席で落ち着き払っていた。 「基本的な行動は先程と同じだ。奴らの攻撃を受け流しつつジェライド達の本隊へ誘い込む。無理はするなよ」 冷静に指示をする彼の旗艦サンドナイトは激しい戦闘のおかげで船体は傷だらけであったが、兵士達にはかえって頼もしく見えていた。 「それにしてもひどい磁気嵐ですな。恒星風も強くなってきておりますので、レーザー通信すら使えません」 レオンの副官が忌々しげに報告するとレオンは鼻で笑う。 「ふん。それは向こうも同じ事だ。恒星風のおかげで奴らの動きも鈍重になるだろうから、我々としては願ったりだよ」
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