失策

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「とんでもない事になったな」 戦艦ガルディアスの艦内。帝都急襲の通信を受けたウィルは難しい顔で呟くと、傍らのベッカーも暗い顔で頷く。 「ええ。ジェライド閣下からは対峙している敵主力との決選を急ぐとの連絡が入っております。ラインツ閣下からはそれに対する激励文と我々に対して回廊の護りを厳重にせよと訓令が届いております」 「副長、恐らく主力艦隊は間もなく大規模な磁気嵐と恒星風の嵐の中の決戦でまともに通信が出来なくなるだろう。本国からの通信は何としても傍受しなければならない。わかるな?」 「お任せ下さい。本艦の通信設備は受送信ともに最新のものを装備しております。通信チーム!どんな些細なものでも構わん。全ての通信を逃してはならんぞ!!」 「副長!私達はプロです。そんな事は百も承知しております!!」 女性オペレータが立ちあがって反論する。 「ははは!良い返事だ。中尉、頼むぞ」 「は、はい・・・」 ベッカーの檄に女性士官がバカにするなとばかりに返す。それを聞いていたウィルが笑顔で言うと、彼女は赤面しながら頷いた。
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