失策

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「中尉、帝都への状況確認の中に1つ付け加えて欲しい件があるのだが・・・その、つまりだな」 ウィルが立ち上がった女性士官に言いにくそうにしていると、 「分かっております。陛下は当然ですが、殿下の安否についての確認もですね?既に問い合わせをしておりますわ」 彼女は笑顔で返す。 「そうか。うん、ありがとう」 はにかみながらウィルが礼を言うと、彼女はニコリと笑って自席に戻る。すると今度はオイゲンが口を開いた。 「まぁ、殿下の安否を確認するのは臣民として当然の事。公私混同にはなりませんし、問題無いでしょうな」 「砲術長、何が言いたいのだ?」 「いえいえ、第1艦隊が総崩れしたとは言っても、まだ軍港には第2艦隊がおりますからね。連邦軍の戦艦が優秀でも10個艦隊相手にはどうする事も出来ないでしょう?大佐は心配性ですなって事ですよ」 ジト目で見るウィルにオイゲンが平然と答える。
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