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「全艦、所定の位置に付きました!」
ガルディアス以下、戦艦群は機動部隊を追い抜くと、C回廊入口の岩礁群に身を隠すように分散して停止した。
「よし、そのまま待機せよ」
ウィルが静かに命令する。C回廊はその空間を最大限に開いている時間帯で、傍から見るとぽっかりと大きな口を開けていた。
「敵哨戒艦、接近!220宇宙キロ先からこちらに向かって進んでおります!!」
オペレータが報告する。ガルディアスのメインスクリーンに連邦軍の艦影が接近して来る様子が映し出されていた。
「大佐、連中を引き付けたい所ですが、これだけ大きな穴が開いていれば、あまり接近させるのは危険です。命中率は劣りますが、射程距離一杯で砲撃するのが宜しいかと」
「いや、ここは確実に仕留めたい。我々の射程距離一杯に捉えるのと同時に電波妨害を行い、奴らの通信手段を遮断してから接近して砲撃を行う」
ウィルはベッカーの意見を退けた。クルーはウィルの判断が正しいと大きく頷いているが、ベッカーは涼しいをしている。これは彼独特の引き立て行為なのだ。
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