失策

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「バカな!大気圏にミサイルを撃ち込んでも摩擦で燃え尽きるだけではないか!・・・いや、大気圏通過が可能な惑星間弾道ミサイルを使ったと言う事か・・・?」 艇長が帝国軍の反応に驚きつつも冷静に状況を分析する。 「皇帝を護るためなら手段は選ばないと言う訳だな・・・?それでこそ敵本星爆撃に志願した甲斐があると言うモンだぜ!」 「しかし艇長、大気圏内では迎撃の手段がありません。大型の戦闘艦ならともかく、本艇に搭載されている電子兵装では高熱下でミサイルを捕捉する事が出来ません」 困り顔でオペレータが艇長に言うが、彼は意に介さないと言った表情で、 「なぁに、捕捉できないのは向こうも同じ事だ。恐らく大まかな侵入ルートと速度を想定して狙いを定めているのだろう。降下速度を本艇の耐熱温度ギリギリまで早めろ!敵ミサイルは我々の上空を抜けて行く筈だ!!」 と命令する。 「り、了解!!」 操舵手が慌てて降下速度を上げるべく操作すると、彼らを乗せたファルコンは高熱によりその船体をオレンジ色に染めていった。
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