失策

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「何だと?レーダーで捕捉出来なかったのか!?」 艇長が思わず声を張り上げるが、 「はっ、大気圏航行中にミサイルで煽られた折に上昇したものと思われます。さすがにあの状況ではレーダーが使えませんでしたので・・・」 弱気な声で答えるオペレータに艇長も思わず黙り込む。さすがにあの状況で全てを把握しろというのは酷であろう。だが、現実として帝国軍機は急接近しているのだ。 「艇長!ご指示を!!」 「はっ!・・・急降下だ!急降下して敵機をやり過ごし、皇宮に向かうぞ!!ミサイルロックをかけられないよう、蛇行しながら降下しろ!!」 「り、了解!!」 オペレータの喚起で我に返った艇長は慌てて命令を下す。 「高度5,000まで降下!奴らも低空域では誤爆を恐れてミサイルが使えなくなるはずだ。急げ!!」 グォオオオアァアア!!! そのまま急降下を始めた。
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