失策

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「彼らには気の毒な事をしたな・・・」 戦艦ゲイボルグのブリッジではダルキュア本星の方向を見ながらレナードが静かに敬礼する。ファルコン1番艇に対するものだ。その手を降ろすと、 「我々も早くダルキュア星系を脱しないと彼らと同じ運命をたどる。早く残りのファルコンを回収せよ!!」 大きな声で命じる。事実、ダルキュア星系周辺の各星系からは帝都防衛の為に各々の駐留艦隊が急行しているからだ。その作業も程無く終える。 「艦長!6番艇の回収が完了しました!!」 「よし、それではダルキュア星系から脱出する。航海士!脱出航路の計算は終わったのか?」 「はっ、既に計算済みです」 「すまんが再計算を頼む。最終目標は当初の計画通り辺境宙域で構わんが、最初のワープはリンゲル付近にいる艦隊に接触してから行いたい」 「・・・構いませんが、リンゲルは辺境方面とは逆方向ですよ?」 レナードの指示にオペレータが困惑気味に答えた。
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