失策

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「ああ。先程発見した帝国軍艦隊が気になる。そいつの正体を見極めた上でこの星系を脱出したい」 「了解です。早速、航路の選定から再計算致します」 「艦長!後方から敵艦隊が接近しているのに、悠長にそんな事をしなくてもよろしいのでは?まずは星系脱出が先決と思います」 レナードと航海長のやり取りを聞いていた副官が苦言を呈するが、 「それも一理あるが、どうも引っ掛かる。もしかしたら帝国の高官でも乗っている宇宙船を護衛しているのかも知れん。なぁに、本艦の速度と防御力、そして火力を考えれば多少の無理は何とかなるだろう」 と、歯牙にもかけない様子でさらりと答える。副官としては、こうなると上官たるレナードの判断に従わざるを得ない。 「・・・わかりました」 「うん。皆、厳しい任務で疲れている所を申し訳ないが、もうひと踏ん張りしてくれ!!」 「「「了解!!」」」 クルー達が慌しく作業に取り掛かった。
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