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「とにかく逃げるぞ!ジョージ、リンゲルに船を向けろ!全速航行用意!!」
「了解!」
ジョージが船をリンゲルへの最短ルートと向ける。彼らの周囲を囲んでいた帝国軍艦隊は駆逐艦3隻を残して急速反転。ゲイボルグ迎撃に向かおうとしていた。
「ん・・・?」
ニックが反転する艦隊に目をやると、巡航艦スラローヌ72が見える。
「・・・」
ブリッジからは艦長がモーニングスター号に対して直立不動の姿勢で敬礼していた。
ニックが答礼を返すと、目が合った二人は無言で頷き合う。
『済まねぇな。時間稼ぎは頼んだぜ』
巡航艦1隻と20隻に満たない駆逐艦でゲイボルグを仕留める事が不可能な事位、誰にでも分かる事だ。それでも立ち向かう彼らに対して敬意を払うべく、ニックは心の中で呟いた。
「よっしゃ、全速航行に入るぞ!チーフパーサー、乗客にベルトを着用させろ!!」
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