混迷

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「・・・あれ?」 客室の窓から宇宙空間を見ていたミディアがその光景に異変を感じて思わず呟いた。 「どうしたの?」 それに気付いたエミリーがミディアの前に身を乗り出しながら窓を覗き込むと、彼女は眉を曇らせながら、 「まずいわね・・・」 と、溜息をつく。 「エミリー、どういう事?これって・・・」 「しっ・・・静かに」 エミリーはミディアの言葉を途中で制すると、一瞬辺りの様子を窺ってから視線を窓に戻した。 「落ち着いて聞いて。声も小さく。みんなに知られたらパニックになる」 「う、うん」 「恐らく、ダルキュア本星を襲った戦艦が私達を狙ってる」 そう説明するエミリーと呆気に取られるミディアの視線の先には帝国軍艦艇が慌てて反転する様子が窺えたのだった。
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