4692人が本棚に入れています
本棚に追加
「えっ?」
「・・・軍が護衛を撤収させるには早すぎるわ。この船のスピードはわからないけど、普通の船ならリンゲルまでは2時間近くかかる筈。それまでは護衛を続けるもの」
「なるほど・・・ね」
驚きつつも納得した様子のミディアであったが、ここで彼女には1つの疑念が湧き上がるが、状況が状況だけにそれについてはあえて触れない。エミリーは続けて、
「恐らく客室乗務員は恒星風とか何とか理由を付けてベルト着用を指示するはずね。でも、本当の理由は・・・っと」
次の展開を予想しながら呟くと、ミディアからの視線を感じて言葉を止める。その視線には何か含んだものが感じ取られたからだ。
「・・・いずれにしてもどんどん悪い状況になっているわ。どうなるか分からないけど、最悪の事を考えなければならないわね」
そう言うと、エミリーは静かに目を閉じた。それと同時に客室内に乗務員からの案内放送が流れた。
「乗客の皆様・・・」
最初のコメントを投稿しよう!