混迷

7/42
前へ
/1283ページ
次へ
「ジェライド閣下、第6艦隊が後退します」 「うむ。レオンとの間に通信回線を開いてくれ。ただし、副官以外には聞かれないよう配慮してな」 ジェライドが第6艦隊の動きを報告するオペレータに指示を出す。眼前のモニターには整然と後退してくる第6艦隊の様子が映し出されているが、どの艦も連邦軍との傷跡が生々しい。一方、常に最前線で戦っていたレオンはと言うと、 「ふぅ・・・これでようやく一息つけるな。さすがに激戦続きで艦も人も限界だろう」 笑顔で副官に話しかけていた。副官はほっとした表情で頷く。彼は自分の司令官の質の高さとタフネスさを改めて、認識し、敬愛の念を強くしていた。 「ところで損害はどうだ?応急修理で何とかなりそうか?」 「そうですね・・・現存するのは4個艦隊弱ですが、駆逐艦を中心に損害が大きい状況です。本格的な修理が必要な艦をけば、実際の戦力は3個艦隊あるか無いかですね」 「そうか。戦力の補充については問題無いが、再編成にいささか時間が必要だろうな・・・」
/1283ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4692人が本棚に入れています
本棚に追加