混迷

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「全艦前進!!」 居丈高に右腕を大きく振り下ろす。 グオオォアッ!! 麾下の艦隊が艦尾からオレンジ色の炎を噴出しながら一斉に前進を開始した。一方、 「敵艦隊前進します!!」 戦艦アイーダのブリッジに連邦軍の動きを伝える声が響くと、 「こちらも撃って出るぞ!前進!!」 ゴォオアッ!! ジェライドの命令が高らかに響き、帝国軍艦隊も前進を開始した。 「ふん。ラインツ閣下も人が悪い。小細工なんぞするから、このような面倒な事になるのだ。だだっ広い宙域で決戦をしておれば、どうとでも対処出来たものを・・・」 ダグラスが彼の旗艦グローバルエンデバーのブリッジでボヤく。ラインツの言う『追試』が無ければ、もっと単純に雌雄を決する事が出来たのだ。尤も、その時の双方に発生する損害は極めて大きかったろうが。 「全艦、総力戦用意!!」
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