混迷

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両軍の艦隊が前進して距離が縮まる。 「ふっ、エドワードの奴、致命的なミスを犯した事に気づいていないようだ。まぁ、レオンの陽動がそれだけ巧妙だったと言う訳だが」 ほくそ笑みながらジェライドが呟くと、 「はい。彼らは長く戦線を維持出来ない筈でしょう。ですが、帝都の件もありますから、我が軍としてもこれ以上悠長に戦っている訳にもいきますまい」 傍らの作戦参謀が彼に追従した。 「距離、120宇宙キロ!」 「「砲撃用意!」」 奇しくも緒戦同様にジェライドとエドワードは同時に命令する。 「さて、久々の実戦だ。一気に連邦軍を叩きのめすぞ!」 一方ダグラスは部下達に激を飛ばすが、 『帝都急襲は兵達に漏れ聞こえている筈。士気を上げる為にもエドワードの艦隊に痛打を与えねば・・・』 内心では少し焦っていた。兵士達の士気に過度の期待が出来ない以上、戦線を維持する為にも連邦軍に痛打を与えて彼らを高揚させてやる必要があったのだ。
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