混迷

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「「撃てぇえい!!」」 ジェライドとエドワードが今度もまた2人同時に攻撃命令を出した。再び、主力艦隊同士による壮絶な砲撃戦が開始されたのだ。 「始まりました」 この報はC回廊防衛任務に就いているウィル達にも知らされ、ベッカーが通信文をウィルに手渡す。 「・・・そうか。それで、次の手は大丈夫なのだろうな?」 ウィルが通信文に一読してからベッカーに聞くと、すぐに答えが返って来た。 「はい。レオン閣下がアルベルト閣下を伴って本回廊へと向かいます。回廊開通を待って、敵主力の後背に廻る算段です」 「それは良しとして、アキレスの事が気になる。ラインツ閣下の防御陣を抜けない以上、あいつはB回廊にいつまでも固執はしない筈だ。奴の放った情報収集艦は沈めている。そろそろ第3の回廊の可能性を考えても可笑しくない」 ウィルの予測は正鵠を射ている。通信障害が収まったにも関わらず、アキレスが星系中に派遣した情報収集艦の一部が未だ音信不通になっているのだ。事故の可能性も無くは無いが、それはいささか不自然だった。
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