混迷

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「よろしく頼む。通信チーム!帝都からは何か言って来ていないか?」 「大佐、状況は逐一知らされておりますが最悪です。親衛隊直属の第1艦隊は大損害を受け四散。宇宙軍港と民間宇宙港は連邦軍の攻撃に遭い完全に破壊された模様です」 「宇宙港が・・・?第2艦隊はどうした!?元帥閣下の直衛艦隊が軍港にいた筈だ!」 ウィルに代わってベッカーが苦い顔で聞く。ウィルとルイス、主だった士官達も通信チームの方をじっと見るが、先程の女性下士官は首を横に降りながら答えた。 「駄目です。第2艦隊は迎撃のために出港しようとしましたが、駆逐艦以外は軍港もろとも破壊されました」 「なっ・・・!」 絶句するベッカー達だったが、ウィルはそれには構わず、冷静な顔つきで口を開く。 「帝都は?本星はどうだ?」 「はい。敵超大型戦艦から射出された戦闘艇の攻撃は寸での所で阻止出来たそうです」 それは不幸中の幸いとばかりに、ほっとした表情に変わる一同だったが、ウィルの表情は変わらない。
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