混迷

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「大佐・・・?」 極めて冷静を装うウィルにベッカーが話しかけると、 「ん?ああ、とんでもない事態に驚くばかりだ。しかし、我々には何も出来ないのも事実。ここは一刻も早く連邦軍を辺境宙域から叩き出し、帝国の支配下に置かねばならない」 幕僚達がウィルを見ながら深く頷く。そして、 「まぁ、とは言っても俺達はたかが2個艦隊。戦局を左右する戦力になり得ないからな。さて、与えられた任務を粛々と遂行しようか」 ウィルは微笑しながら幕僚達を見る。 「・・・そうだな。早速、母艦に戻って準備しよう」 ルイスがウィル以下、ガルディアスの幕僚達に敬礼し、ブリッジを出ていく。彼らも答礼しながら見送ると、自らの職務へと戻った。 「大佐、先程から妙に平静を装っていますが、何か心配事でも?」 ベッカーが指揮官席に座ったウィルに小声で話しかける。彼は一瞬驚いた顔を見せたが、ふうっと溜め息をついた後に、ぼそりと口を開いた。 「個人的な感情の問題だ」
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