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アキレスはエドワードのような激情家では無く、タイプとしては補給・情報・索敵に重きを置いた能吏派軍人だ。やや慎重過ぎるきらいもあり、第1線と言うよりは1歩引いたところからの支援に最も能力を発揮するタイプだろう。
彼自身、今回の遠征で彼に課せられた役割は主力であるエドワードとマイセンの支援にあると理解していた。B回廊突破の任務にあたり、ラインツの頑強な抵抗に遭うと無駄な出血を避けるために回廊突破を早々に断念し、新たな回廊を探しつつエドワード・マイセンの支援に向かったのだ。
「マイセン閣下にB回廊突破が難しい場合は転進する旨の許可を得て良かったですね」
傍らのムーア少将が話しかける。
「ああ。あれだけ狭いB回廊は防御側が圧倒的に有利だ。しかも指揮官がラインツでは不可能とは言わないが相当難儀するだろうからな」
進行方向を見据えながらアキレスが答える。
「ですが、本当に第3の回廊なんであるのでしょうか?」
「さぁな。だが、星系外周を航行しているんだ。恒星風や磁気嵐が原因で哨戒部隊が丸々消息を絶つ訳が無い」
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