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「早速、減速ですかい?」
暇を持て余してブリッジに来ていたアポロが呑気に口を開くと、
「アポロ、空母は戦艦に比べて軽い。それだけ恒星風の影響を受けやすいんだ。それに・・・」
「艦載機はフル装備だ。ミサイルには安全装置が施されているが、万一の事があると艦もろとも一瞬で火だるまって訳だろ?キース」
キースが説明し、アポロがそんな事分かっているとばかりに返す。
「それにしても強い風だぜ。このままじゃあ回廊出口に到着しても、飛べないな・・・」
アポロは外に目を向けながら呟く。彼の眼下には強風に曝されて無数の小岩が飛んでいた。
「いや、ウィルの話だと回廊出口に到着する頃には治まるらしい。その時はスクランブルだ。忙しくなるぞ」
「へ~い。それを見越しての強行軍って訳ですかい?ウチの司令官は勤勉ですなぁ・・・」
アポロはボヤきながらブリッジを出ていく。ルイスは彼を一瞥してから立ち上がった。
「何が何でも艦の安定を保て!これ以上ウィル達から遅れる訳にはいかん。速度はこれ以上絶対に落すな!!」
そして厳しく命令すると席についたのだった。
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