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一方、第7機動部隊と分かれ、先行するウィル達第38宇宙艦隊はますます激しい嵐に遭遇していた。恒星風はさらにその強さを増し、小さな岩塊が容赦なく彼らの艦に襲いかかる。
「うわぁっ!!」
ガルディアスが恒星風に煽られて大きく揺れ、思わずブリッジに声が上がった。
「何をやってるんだ!艦を立て直せ!!」
ヴィーザルが航海士を一喝するが、
「航海長!次から次に突風が襲ってくる状況では艦の安定が保てません!!」
悲鳴に近い声を上げる。普段はここまで強烈な恒星風の中を航行する事は滅多に無い上に、風を読むにも肝心のレーダー解析は実際に起きている事象の2秒遅れだ。彼の言い分は尤もであったが、彼はそれを許さない。
「ったく、お前は素人か!?大佐、小官が本艦の操艦をします!!よろしいですね?」
ヴィーザルが機嫌悪そうにウィルに許可を求める。艦隊旗艦の航海長である彼はガルディアス単艦の航海責任だけでは無く、艦隊全体の運航管理を担っていた。すなわち彼が操艦をすると言う事は、艦隊全体の管理は別の者が行わなければならないのだ。
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