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「・・・さすがだな」
ウィルが微笑しながら呟く。操舵席には無数の計器とスイッチ類が並び、艦を操るジョイスティックが設置されている。ヴィーザルはそれらと足下にある左右のフットペダルを巧みに操って艦を動かしていた。
「すげぇ・・・」
先程まで操艦していた航海士が思わず声をあげる。ヴィーザルは2秒遅れの解析画像と見張りからの断片的な情報だけを頼りに恒星風がもたらす艦の挙動を予測して対応していたのだった。
「よし、こっちも負けられんぞ。レーダー管制射撃では間に合わない。手動操作で岩塊を迎撃する。お前達の腕だけが頼りだ。ガルディアスに小石の1個も近付けるな!!」
「「了解!」」
オイゲンが気合を込めて命じると、砲術要員達にも彼の気迫が乗り移る。
「各自、自由撃ち方で対処させます。大佐、ご命令を!」
オイゲンが半ば睨むような視線をウィルにぶつけると、
「砲術長の良いように。ただし、気持ちだけが空回りしないよう気を付けてくれ」
苦笑しながら許可を与えた。
「はっ!聞いての通りだ。野郎ども、対空戦開始!!」
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