混迷

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戦艦セイレーン。帝国軍の次期主力戦艦として開発されたセイレーン級戦艦のネームシップである。艦隊旗艦であるガルディアスには及ばないものの、主力戦艦としての能力は攻撃力、防御力、機動力のいずれを取っても従来艦のそれを遥かに上回る。 船体の大きさは装甲量と艦載機の積載機数増加、今後開発されるであろう新技術の導入による改装を考慮してゆとりを持たせた設計が為され、従来艦よりも一回り大きくなった。これには予算と資源の無駄遣いとの批判もあったが、 「設計段階からギリギリの設計をした艦では10年しか使えん。50年先を見据えた艦の方が返って安上がりである!」 シュルツ技術中将の強弁により、反対意見を抑え切ったのだ。 その他、新開発された機関や各種火器、シールドシステムと電子兵装等により従来艦から格段の戦闘力向上を果たしたセイレーン級ではあるが、建造コストの高さがネックとなり同型艦はセイレーンを含め5隻が建造されただけで、現在は簡易量産型の試作が行われているのだった。 尤も、セイレーン級戦艦設計の責任者たるシュルツは簡易量産型として就航させた戦艦については時期をみて改装し、セイレーン級戦艦と同等の戦闘力を持たせる腹つもりのようだが。
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