痛恨

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「陛下はいかがされた!?陛下に謁見願いたい!!」 「お待ち下さい!陛下は混乱の収拾にあたられ、閣下にお会いする余裕がありません。しばしの猶予をいただきます」 連邦軍の奇襲攻撃はかろうじて皇宮にその被害が及ばなかった。しかし、事の事態を騒ぎ立てる者は必ずいるものである。 「ええい!貴様はワシが誰かわかっておるのか!?帝国一の名家、ロワナー公爵家の当主、マクシミリアンであるぞ!!」 騒ぎの主はロワナー公マクシミリアンだった。彼は息子のアルフレッドは勿論、取り巻きの貴族達10数人を引き連れて皇宮に乗り込んで来たのだ。 「わかっております。しかしながら、公爵閣下と言えども今は御目通りかないませぬ。お引き取りを!!」 親衛隊長オーバンドが問答無用とばかりに強い口調で彼らを追い返そうとする。彼はアレクから直々に『無用に騒ぎ立てて皇宮に乗り込んで来る貴族共は相手にするだけ時間の無駄だ。全て追い返せ」と厳命されていたのだ。そんな彼は奥の手を使う。 「皇帝陛下の勅命です!今は何びとたりともお目通りは認めませぬ!!」
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