痛恨

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「そうはいかぬ!我ら貴族に対して陛下はご説明あるべきだ」 「そうだ!その通りだ!!」 「このような不祥事、軍に責任を取らせずにどうすると言うのだ!」 取り巻きの貴族達も騒ぎだす。オーバンドは『騒ぐ事しか知らぬ無能者めが』と内心苦々しく思いながらも説得を続けた。 「それは陛下がお決めになる事。小官は陛下のご命令をお伝えしているだけです。とにかく陛下は帝国臣民の混乱を収拾すべくご多忙です。お目通りは出来ませぬ」 「この朴念人めが・・・少しは」 「朴念人で結構!!小官は陛下の忠実な臣であれば良いのですからな。何度も申し上げるが、これは陛下の勅命です。どうかお引き取りを!!」 「むぅ・・・」 アルフレッドの言葉を遮るようにオーバンドが居丈高に叫ぶ。ここまで見事に言い切られると、彼らとしても言葉に詰まる。 「・・・仕方ない。隊長に免じてここは大人しく引き下がるとしよう。陛下にはロワナーが来ていた事を伝えておいてくれ」 ついに根負けしたマクシミリアンがオーバンドに言うと、くるりと踵を返した。
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