痛恨

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「・・・ち、父上!」 慌ててアルフレッドが父マクシミリアンを追いかける。その様子に取り巻きの貴族達も慌てて皇宮に背を向けた。 「父上、親衛隊長とは言え、たかが軍人にコケにされたのですぞ!このまま大人しく引き下がっては我ら貴族の沽券に・・・ぐわっ!」 騒ぎ立てるアルフレッドの頭頂部にマクシミリアンの拳が降り注ぐ。 「いちいち騒ぐな!だからお前はいつまで経っても『不肖の跡取り』などと陰口を叩かれるのだ!」 頭を押さえて悶絶するアルフレッドと怒りの表情を見せるマクシミリアンに取り巻き達が呆気に取られていると、 「何を見ておる?そなた達が日頃言っている陰口がワシの耳に入らんとでも思っておったのか!?」 怒りの矛先を彼らに向けたロワナーの表情に取り巻き達は一気に震えあがり、慌てて頭を下げた。 「・・・まぁ良い。だが、オーバンドと言ったか?あの親衛隊長め。ワシに逆らうとは良い度胸をしておる。帝国一の権勢を誇るこのワシに対してあの様な態度を取りおって・・・」
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