痛恨

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意を決した表情で口を開いたアルフレッドだったが、父マクシミリアンの反応は冷ややかだった。 「ふん。簡単に言うが、具体的な策はあるのか?口から出任せを言うな」 「父上、私とていつまでも『不肖の息子』と言われている訳にはいきませぬ。ここは私にお任せい下さい。お願いします」 鼻で笑ったマクシミリアンに対して極めて真面目な目で訴えるアルフレッド。続けて、 「確かにキンメル自身に隙はありませんが、その一族はどうでしょう?全てが完璧な訳がありません。私ならば、その辺から攻めていきます」 「ううむ・・・」 マクシミリアンが唸る。アルフレッドの言うことは的を射ている。正面から崩せなければ搦め手から攻める。戦術の王道だ。 「・・・成算はあるのだな?」 「・・・」 身を乗り出すように聞くマクシミリアンにアルフレッドが無言で頷く。 「・・・よかろう。そこまで言うのならお前に任せる。金も人も自由に使うがよい。だが・・・」 「分かっております。必ずや成功させてご覧に入れます」 胸を張ってアルフレッドは答えたのだった。
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