痛恨

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・ ・ ・ ザワザワザワ・・・ ミディアを乗せていたモーニングスター号だったが、客室の生徒達も徐々に異変に気付き、騒ぎ始めている。教師達がそれを鎮めようとはするものの、なかなか上手くいかなかった。 『船長、生徒達が騒ぎ始めています。パニックになる前に、ある程度の説明をした方がよろしいかと思います』 客室乗務員からの報告に、ニック船長は思わず肩をすくめる。 「ジョージ、どう思う?」 実の所、ニック自身の答えは決まっていたのだが、一応、航海士のジョージにも尋ねると、 「船長、宇宙港での事を思い出してみて下さいよ。なかなか肝の据わったお嬢さん達の事ですから、本当の事を言った方が落ち着くと思いますけどねぇ?」 のんびりした口調でジョージが答え、ニックはフンと鼻で笑った。 「同感だ。チーフパーサー!俺がお嬢ちゃん達に説明する。スピーカーに繋いでくれ」 『わかりました』 ニックはおもむろに傍らのマイクに手を伸ばす。
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