痛恨

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「ねぇ、やっぱ可笑しくない?」 「うん。恒星風って結構揺れるんだよね?でも、全然揺れないし・・・」 「それにこの船、なんか急いでるみたいだよ?」 生徒達が不安そうな表情で話していると、 『乗客のみなさん。私は船長のニック・ドーソンです』 客室向けにニックは船内放送を流し、彼女達の騒ぎは一瞬で静まった。 『現在、本船はリンゲルに向けて急行しております。何故かと言うと、帝都を急襲した連邦軍超大型戦艦の追尾を受けているからです』 客室には悲鳴に近いどよめきの声が上がる。 『何故、本船が狙われているかは良く分かりませんが、危険な状況であるのは間違いありません』 それを聞いていたエミリーは表情にこそ出さないものの、心の中では苦り切っていた。常識で考えれば軍艦が民間船を襲う事などあり得ない。あるとすれば、ミディアがこの船に乗っているという、その一点だけである。 つまり、彼女が乗船した事で随伴した護衛艦の存在がレナードの疑念を掻き立てたのだ。
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