痛恨

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「・・・・」 そしてそれはミディア自身が誰よりも良く分かっていた。彼女は生徒達の刺すような視線が徐々に自分に集まりつつある中、悔しそうな、それでいて申し訳無さそうな表情を浮かべてエミリーの横で俯いている。 『ですがご安心ください!』 ニックが努めて明るい声で続けた。 『皆さん、宇宙港を出発する時の事を思い出して下さい!我々が宇宙港を出発しようとした時、乗客は半ばパニックとなり、多くの民間船が出港出来ずにいました。それを鎮め、全員が脱出出来たのは誰のおかげでしょう?』 「ミディアよ!」 「そうよ!ミディアがみんなを助けたのよ!」 「ミディアがいなかったら今頃、あたし達は無事じゃ無かったわ!!」 ミディアと仲の良い生徒達が次々に発言する。その様子をモニターで見ていたニックはにこやかに頷いた。 『そうです。あのパニックを鎮め、多くの乗客と船を救った英雄が乗っておられるのです。本船はそう簡単に連邦軍なんぞにやられません!』
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