痛恨

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「そんな・・・あたしにはそんな力なんて無いよ!あの時は無我夢中だったけど、今は何もする事が出来ないわ!」 買被りだとばかりにミディアが声を張り上げる。 『殿下、あんたには人を惹き付ける不思議な魅力がある。宇宙港での事だってそうだ。決して皇族だから出来るって芸当じゃあないさ。それに・・・』 ニックが一息置く。 『少なくとも、俺を含め、ウチのクルー達はそう思ってる。あんたがいれば何とかなりそうだってな』 「船長さん・・・」 「ニックで良いぜ。他のお嬢さん達も良く聞いてくれ。俺達は必ず助かる。まぁ、船乗りの勘ってヤツだが結構当たるモンだぜ?ってな訳で、余り騒がずに大人しくしていてくれ。以上だ」 おどけた口調で言い終えると、客室には微妙な空気が流れ、生徒達は呆気に取られた顔をしていた。 「船長、ちょっと強引じゃないですか?まぁ、船乗りの勘の件は俺も賛成ですけどねぇ~」 舵輪を握ったままジョージが呆れ顔でボヤく。
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