痛恨

26/49
前へ
/1283ページ
次へ
「航空隊、なおも接近してきます!本艦まで100宇宙キロ!!」 「敵艦隊の位置と距離は!?」 「3時半の方向、距離110宇宙キロ!ワープアウト時の惰性を利用して高速接近中です!!」 オペレータが金切り声で報告する。ヴェルマイヤー星系から駆け付けたヘンケルス少将率いる帝国軍艦隊は亜空間から一気に脱する通常の手法を取らず、亜空間から徐々に脱する方法でワープアウトしたのだ。 この方法は亜光速状態でワープアウト出来る半面、到達座標設定の難しさと艦自体の制御が極めて難しい。下手をすると亜空間から脱出できなくなるリスクがあり、余程の事が無いと使用しない方法だが、ヘンケルスは帝都の状況を鑑み、この方法しかないと幕僚達の制止を振り切っての判断だった。 「ほう?なかなか骨のある指揮官のようだな。誰だ?」 「はっ、データ照合しましたが、旗艦は戦艦『ダリアン』。ヘンケルス少将率いる艦隊かと思われます」 レナードの質問に副官がコンソールを操作しながら答える。
/1283ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4692人が本棚に入れています
本棚に追加