痛恨

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レナードが航空隊を近づけまいと迎撃を命令する。航空攻撃用のミサイルは射程距離が短い分、各ミサイルサイトからの弾道ミサイルに比べてその炸薬量は圧倒的に多い。如何に自艦の防御力に絶大な自信を持っているとは言え、被弾しないに越した事はない。 「艦長、敵ミサイルは速い上に近過ぎます!対空ミサイルの照準が定められません!・・・ん?こ、これは!?」 「どうした!?」 「はっ、ミサイルに混じり、敵機一機、本艦に接近して来ます!」 「何っ!?」 レナードが驚きの声を上げつつモニターに目を向けると、明らかにミサイルの反応とは思えない大きな反応が映し出されていた。 『隊長!戻って来て下さい!!』 「・・・辛うじて機体は何とか飛んでいるが、俺自身はダメらしい。ならば、先に逝った連中の所に行った方が良いだろう?」 そう言う航空隊長の飛行服は腹部から下半身にかけて深紅に染まり、足下には血溜まりが出来ていた。
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