痛恨

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「対空レーザー、撃てぇい!!」 対空ミサイルの照準を合わせる事が出来ないと判断したレナードは、すぐさま対空レーザーによる迎撃を命じるが、帝国軍の航空攻撃は射出時の初速の速さとミサイル自体の推力が相成り、猛烈な速度で接近しており、その命中率は極めて悪かった。 「・・・犠牲を出した甲斐があったか?まぁ、良い。あとは艦隊が何とかしてくれるだろう」 自らは致命傷を負い、愛機とともに体当たりをしようとしていた航空隊長は微かな笑顔を浮かべる。彼の乗るアルファの胴体下部には大型ミサイルが懸架され、オレンジの炎を曳いて更に機体を加速させる。 『『隊長!隊長!!』』 「うるさいな・・・先に逝った連中のところに行くんだ・・・静かに見守っていて・・・く・・・れ」 部下達の悲鳴に近い呼びかけに少しだけ反応した隊長は静かに事切れた。主を失った機体は他のミサイル同様、ゲイボルグの目前に迫っていた。 「来るぞ!!衝撃に備えよ!!」 ゲイボルグの艦内に警告ブザーが鳴り響く。
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