痛恨

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「隊長ぉおお!!」 部下達の叫びも虚しく、隊長機は彼らの放ったミサイル共々ゲイボルグに激突、眩い閃光と共に戦場の露と消えていった。 「うわぁああっ!!」 ゲイボルグは大きく動揺し、乗組員が叫び声を上げる。それを見ていた帝国軍増援部隊を率いるヘンケルス少将は、 「見事だ・・・よし、彼らの犠牲を無駄にしてはならん。一気に畳み掛けるぞ!全艦隊、砲撃開始!!」 今が好機とばかりに攻撃を命じた。激しい砲火に曝され、ゲイボルグとその周囲は字通り火の海と化した。 「落ち着け!機関出力上昇。敵の攻撃を回避せよ!!ダメコンチームは応急修理の用意だ。早く艦の姿勢を立て直せ!!」 レナードは自らの体を支えながら命令する。右舷に集中攻撃を受けたゲイボルグの巨体は衝撃と爆圧により左舷に大きく傾斜していた。 「最大出力で撃ち続けろ!撃沈を確認するまで攻撃の手を緩めるな!!」 ヘンケルスは戦艦ダリアンのブリッジで部下達に厳しく命じる。
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