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「長官、敵艦の足を何とか止める事が出来そうです。これで殿下のご安全は確保出来ました」
紅蓮の猛火に包まれるゲイボルグを見て、ブルックスをはじめとした宇宙艦隊指令部のクルー達は安堵の表情を浮かべる。一方、
「ご覧下さい陛下。敵戦艦が!!」
皇宮の地下シェルターでも明るい声が聞こえた。
「うむ。親衛隊長、両元帥に労いと感謝の言葉を伝えてくれ」
「はっ、ただちに」
アレクが弾んだ声で命じる後ろでは、嬉しそうな顔で頷くハンスとそっと涙を拭うフローラの姿があった。このようにゲイボルグ撃沈を喜ぶ声が聞こえる中、難しい顔をしている男が二人いた。
「軍務尚書閣下、浮かない顔をされておりますが、どうされました?」
「・・・」
一人はホーウッド。そして、
「・・・駄目だ」
もう一人はシルバラード。両元帥は悔しそうな顔つきでモニターを凝視していた。程無く砲火が止み、爆煙が晴れていくと、そこにはゲイボルグの姿が再び現れたのだった。
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