痛恨

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「静かに!皆さん落ち着いて下さい!!」 客室乗務員が宥めるが、騒いだり泣き叫ぶ生徒達にその声はなかなか届かない。 『あたしのせいでみんなまで危険な目に・・・とにかく何とかしなきゃ』 ミディアは客室のパニックを収めようと立ち上がろうとしたが、隣に座るエミリーが彼女の腕を掴んで離さない。 「エミリー、腕をはなして!」 「ダメ。今、貴方がみんなの前に出たら返ってパニックは酷くなる」 エミリーは首を左右に振りながらミディアを掴む手に力を込める。 「そんな・・・!そうだとしても、あたしのせいでみんなを危ない目に合っているのよ?あたしが何とかしなきゃ・・・」 「とにかく今は落ち着いて。あの船長さんの言葉じゃあ無いけど、何とかなると思うし、きっと大丈夫」 「エミリー・・・」 冷静な中に優しげな表情を浮かべるエミリーに、ミディアも少しづつ落ち着きを取り戻す。
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