痛恨

38/49
前へ
/1283ページ
次へ
「何とかなるって、どうして?」 「奴らはこの船に護衛が付いていた事に疑問を感じてそれを確かめる為にこっちに向かってる筈。誰が乗っているかなんて知らないわ」 「うん・・・」 「って事は、奴らはこの船を拿捕して誰が乗っているかを確認しなければならないわ。いきなり撃沈するなんて事はしない訳」 「でも、仮にこの船を捕まえる事が出来なければ・・・」 「恐らく大丈夫よ。無抵抗の民間船を攻撃したなんて不名誉な事をまともな軍人がする訳が無いもの」 エミリーの言う事は尤もだった。そもそも、ゲイボルグのような特殊な艦で重要な任務を務める艦長は、軍人として最低限の矜持を持っていないと務まる訳が無いからだ。 「・・・なるほどね」 ミディアにもエミリーの言う事は十分理解出来たところで、彼女自身、以前から疑問に思っていた言葉を口にした。 「それともう一つ。・・・エミリー、貴方は一体何者なの?」
/1283ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4691人が本棚に入れています
本棚に追加