痛恨

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「いかん!シルバラードを呼び出せ!!」 「は、はいっ!!」 ホーウッドが慌てて叫び声を上げる。程なく通信が繋がり、 『どうした?情けない話だが、あのバケモノを撃沈するどころか、まんまと逃げられそうだ』 自嘲気味に語るシルバラードに対し、ホーウッドは顔を紅潮させながら続ける。 「そんな悠長な事を言ってる場合か!殿下が危ない!!」 『ん?いかにあのバケモノが堅牢でも、この状況で民間船を拿捕するのは無理だ。まさか、攻撃するなんて事もあるまい』 「違う!ワープフィールドだ!!奴は殿下の乗る民間船を自分のワープフィールドに取り込んでワープするつもりだ!!」 『ワープフィールド?・・・はっ、そうか!!』 シルバラードの顔からみるみる血の気が失せて来る。ワープの際、艦の周囲は強力なエネルギーで繭状に包まれる。この繭の中から亜空間に進入するのだが、その際は繭の中にあるもの全てが亜空間に引き込まれるのだ。
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