痛恨

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『了解!通常動力停止、ワープエンジンエネルギー伝達100%0!!』 ゴゴ・・・ゴ 振動が徐々に収まると、 キュワァアアア!! ゲイボルグ全体に甲高い機関音が響き渡り、ブリッジには安堵の空気が流れる。 「艦長、ワープエンジン切換完了しました。加速しつつエネルギー充填を続けます!」 「さすが機関長、良い腕だ」 「ありがとうございます艦長」 モニターを凝視しながら、「彼女」は肩にかかる髪の毛をかき上げながら礼を言った。ゲイボルグは帝国・連邦両軍を通じて極めて珍しく、女性士官が機関長を務めていたのだ。 「敵超大型戦艦、加速し始めます!反応から見て、そのままワープ航法に入るものと思われます!!」 「まずい、時間がないぞ。殿下がお乗りになっている民間船はまだリンゲルに着かないのか!?」 「はっ、リンゲルの重力圏内まであと30分です!!」 焦れたシルバラードはモーニングスター号の位置を確認するが、オペレータからの報告は絶望的な内容だった。
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