痛恨

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「閣下!この距離で砲撃を続けては敵艦はともかく、民間船に当たってしまいます」 「ううむ・・・やむを得ん。砲撃中止!!」 ヘンケルスが悔しそうに命令する。現にゲイボルグから外れた流れ弾がモーニングスター号の近くを通過していたのだ。 「閣下、敵艦が更に加速します。いかが致しますか?」 副官が恐る恐るヘンケルスに指示を求めるが、 「・・・ん!?いかがも何も、当たってもビクともしない。外れたら殿下が危ないときたら、手の出し様が無いわ!!宇宙艦隊指令部に打電だ!・・・『我、遺憾ながら敵大型戦艦に手も足も出ず。殿下の強運、切に願う』とな!!」 「はっ!」 半ばやけっぱちに吐き捨てるヘンケルスに副官は息を飲みながら答えた。 「・・・との事です」 宇宙艦隊指令部にヘンケルスの報告が入るとシルバラードは無言で首を左右に振るだけだった。
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