痛恨

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「なるほど・・・あのバケモノが本船もろともワープインしようとする瞬間に急速回頭すれば、ヤツは進路変更も出来ないままワープして行くでしょうな・・・でも、」 「そう、ヤツの作り出すワープフィールドの大きさが分からんから、急速回頭するタイミングも分からないんだ」 ニックが難しい顔をした。回頭するタイミングが早すぎれば追尾され、逆に遅ければゲイボルグの発するワープフィールドに取り込まれてしまう。その加減は勘に頼らなければならない。まさに賭けである。 「でもまぁ、逃げても逃げ切れないんだったら、腹をくくるしか無さそうですな。よし!一丁、やってみますかぁ!!」 ジョージが拳を振り上げながら言うと、周りのクルー達も頷く。 「船長、後方の連邦軍戦艦から入電!『連邦軍宇宙戦艦ゲイボルグ艦長、レナード大佐である。目前の民間船に告ぐ。蛇行を止め、直進せよ。従わなければ攻撃する』!!」 「ふん、渡りに舟とはこの事だぜ。ジョージ!直進だ!!」 オペレータの報告を受けたニックはニヤリと笑いながら再び命令した。
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