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「了解。民間船との相互位置についてデータを送る。最接近した時に速度82でワープ出来るよう、速度調整を頼む」
「了解です航海長。現在の速度は指定速度75。徐々に速度を上げて行きます」
機関長が相変わらずコンソールに向き合いながら報告する。すると、
「帝国軍艦隊も更に加速!本艦に徐々に迫りつつあります!」
「随分と頑張りますね。基本設計の優れた良い機関を搭載しているようですが、これ以上は無理でしょう。艦長、無視して結構です」
機関長の分析にレナードは無言で頷く。現に帝国軍艦隊の機関はオーバーロード寸前だったのだ。
「もっと出力を上げろ!逃げられるではないか!!」
「閣下、これ以上は無理です!完全にオーバーロードです!機関が吹っ飛びます!!」
怒声を上げてゲイボルグを追いかけていたヘンケルスだが、それも限界に達していた。
「エネルギー伝道管温度上昇!間もなく溶融点に達します!!閣下、危険です!!」
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