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一方、追われる立場のモーニングスター号では蛇行航行を止めた為、客室は徐々に落ち着きを取り戻しつつあった。
「一体、何なの?」
「そうよ。あたし達、どうなっちゃうの?」
「・・・死にたくない」
女生徒達が不安そうにザワザワと話をする中、ミディアは1人、正面を向いて静かに座っていた。
「ねぇ、ミディアぁ・・・どうしよう?」
「大丈夫。必ず助かるよ。だから安心して」
「う、うん・・・でも」
「大丈夫だってば!」
不安気に話しかけるクラスメイトには努めて明るく振る舞い、優しく励ます。だが心の中では、
『あたしのせいでみんなをこんな目に・・・絶対に無事に帰さなきゃ。あたしが何とかしなきゃ・・!!』
表情には出さないが、一種の悲壮感が彼女の中に漂っていた。
「・・・」
エミリーはそんなミディアを無表情で見ると、人知れず溜め息をついていた。
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