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アレク以外の視線がオーバンドに集中した。
「内務尚書殿、今のお言葉、聞き捨てならん!シルバラード・ホーウッド両元帥閣下以下、我が軍は多くの犠牲を出しながらも最善を尽くそうとしている。にも関わらず、体たらくとは何たる物の言い草か!将兵の命を何だと思っておるのか!!」
「ふん。私は事実を言っているだけだ。経緯はどうであれ、軍はあのバケモノの迎撃に失敗したのだ。しかも、ミディア殿下まで危険に晒されておる。これを体たらくと言わず何と言う」
怒りに震えるオーバンドに、内務尚書、バルカー伯爵が反論した。ちなみに彼はロワナー公爵の一族にあたる。
「貴様ぁ!!」
「この様な失態、両元帥は勿論、親衛隊を率いるそなたの責任は重大。首を洗って待っているのだな。それにしても、平民出の軍人は駄目だのう。危機管理という物に欠けておる」
「貴様・・・言わせておけば!!」
「やめんか!!」
オーバンドが激昂してバルカーに詰め寄ろうとした瞬間、アレクが一喝した。
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