レナード

11/33
前へ
/1283ページ
次へ
「へ、陛下・・・」 一喝されて驚くオーバンドとバルカーを尻目にアレクは立ち上がった。 「今はそんな事を言ってる場合では無かろう!とにかく帝都の混乱を収拾させるんだ!国務尚書!!」 「は、はっ!」 アレクの険しい声にキンメルが返事と共に慌てて立ち上がる。 「帝都全体の被害状況の詳細確認と生存者の救出、治安の確保について全権を任せる。関係各署と連係を取り、一刻も早く混乱を収拾せよ!!それから親衛隊長!」 「はっ!」 「そなたは皇宮全体の保安確認を急げ!何時までもこのような穴蔵に籠っていられん。東宮に移るぞ!!」 「はっ!ただちに!!」 オーバンドはアレクに敬礼すると、慌ててその場を出て行った。アレクは、 「・・・」 苦々しい顔を浮かべ、無言のままドカッと席に座ったのだった。
/1283ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4691人が本棚に入れています
本棚に追加