レナード

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「そうですが。それでは、閣下がレナードにお怒りになる理由とは一体何なんでしょう?」 副官の質問に軽く頷いてからヘンケルスは続けた。 「うん、俺は撤退する連邦軍を追撃したのだが、連邦軍の殿はレナードが努めていた。俺は何度も突撃を敢行したが、奴の艦隊は頑強でな。一向に崩れる気配が無かった」 「ええ、それで?」 「うむ、俺は友軍2個艦隊の増援を得て連邦軍を更に追い、レナードは本格的な逃げにかかったのだ。・・・そして惑星サイタスに差し掛かった時、あの男はとんでもない事をしやがった」 ヘンケルスはそこまで言うと、ギリッと歯を咬み締め、怒りの表情を見せた。 「閣下、そのとんでもない事とは・・・?」 副官が再び質問する。一緒に話を聞いていたオペレータ等、ブリッジ要員全ての視線がヘンケルスに集まる。 「・・・あの男は重核融合弾を我が艦隊とサイタスに撃ち込んだのだ」 「「「なっ・・・!!」」」 副官を含め部下達が驚きの声を上げた。
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