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「シルバラード大佐、ベッカー中佐。司令部に間もなく到着いたします」
「うん、ご苦労だった」
ベッカーが応えると同時に車が停車した。眼前には巨大なビルが建っている。クレアがきびきびとした動作で自分の席から降りて後席のドアを開けた。
「ありがとう、少尉。ところで、貴官が長官室まで案内してくれるのかな?」
「大佐、申し訳ありませんが、小官は二人をお届けした後、別件が入っておりますので、ここで失礼させていただきます」
「わかった。中佐、行くぞ」
「はっ」
二人は司令部のエントランスに向かって歩き出した。その後ろ姿に敬礼して送り出したクレアの表情は、やはり微笑んだままだった。
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