編集と先生

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「…今、何処に?」   『わかりません。…それがわかっていたらとっくに帰って…くしゅっ』   少し拗ねた様な口調でそう告げると、ついでにくしゃみをされた。   「…! まさか薄着で出たんじゃないでしょうね!?」   つい声を荒げる。   自分の担当作家に、体調を崩されたくないからだ。   『少しだけ散歩するつもりでしたから…』   その一言で、先生が上着を何も羽織っていないのだと察した。   「…そこ、動かないで下さい。電話もこのままで」   慌ただしく着替えを済ませ、先生と繋がったままの携帯を手に家を出る。   街はすでに真っ白に染まっていて、雪は尚も降り続けている。   静かな街に、ザクザクと雪を踏み締めて走る音だけが響く。   (本当に…貴方と云う人は…)   電話で現在地を確認しながら、早朝の街を走る。
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