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少女
『わたしたち、共存なんて
無理なのかな――…』
カイトN
「これは僕の最古の記憶。
今にも泣き出しそうな顔で
笑おうとする少女の姿を、
10年以上経った今でも
鮮明に覚えているのは、
その少女のことが
好きだったからだ。
幼心に、"僕が一生守る"
なんて思っていた。
許されることのない恋だなんて
分からずに」
少女
『ねぇ、―――…』
カイトN
「次の瞬間 強く吹雪いて、
僕は銀世界に1人残された。
其れが最初の"別れ"」
カイト母
『いい?カイト。
半妖には近寄っては
いけないわよ。』
カイト父
『俺たちは半妖を狩る一族だ。
お前も同じハンターの道を
いくことになる。
今のうちから、
半妖への情は捨てなさい』
カイトN
「両親は"ハンター"なんて
言葉が似合わない
優しい人だった。
仕事に厳しい人だから、
口ではこういって僕に
言い聞かせていたけど、
楽しそうに少女の話を
している僕に微笑んで
聞いてくれた。少女が、
半妖の子供だと気づいて
いないはすがないのに。
なのに、ある日…」
イヴ
『カイト!大変よ、貴方の両親が…っ!!』
カイト
『…え…ッ…?』
カイトN
「真っ白な雪を赤く染めて、
両親が横たわっているのが
発見された。
まるで誰かを守るかのように二人寄り添って。
その躯に刻まれた大きな傷が、
半妖に殺されたことを物語る。
少女の行方も分からず、
両親も亡くした僕は
何もかもを失って、
半妖への憎しみだけが
残った――…」
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